代表 松永 恭昭
1982年生まれ 和歌山出身在住
岩井俊二主宰のプレイワークスの公募、2作続けて優秀賞
深津篤史(岸田戯曲賞・読売演劇賞受賞)に師事する。
2010年、和歌山県主催公演に「白球止まらず、飛んで行く」が選ばれ、
向陽高校新体育館、串本公演と再演を繰り返す。
2014年、劇作家協会主催、短編フェスタにて「¥15869」が上演される。
――演劇を始めたきっかけは何ですか?
元々は映画のシナリオを書いていたんですが、その勉強の一環で戯曲を読み始めるようになりました。そして、たまたま通っていた専門学校に来ていた先生の劇団の公演のチケットをもらえたので見に行ったときに、決定的に面白いと思い、そこから演劇を見るようになりました。その後、戯曲を教えにもらいに言ったりしているうちに、自分でやりたいなと思い始めたと言う感じです。
――初めて書いた作品はどんなものですか?
どこが始まりかというと難しいんですが、高校時代にお笑いをやっていたので、コントを書いたりしてました。同時に小説なんかも書いたりしてたのですが、映画のシナリオを書き始めたのは、専門学校に行き始めえてからです。コントを書いてるときは、変な設定のものばかり書いてました。
おじいちゃんの頭に花が咲いたことを伝えるニュースキャスターや、駅の売店のおばちゃんによるバトルロワイヤルなんてのがありましたね。
――何か一貫したテーマを持っていますか?
昔は、家族や宗教や、地方都市なんていうのが、中心的なテーマだったりしたんですが、ここ数年は変化してきているように思います。
もう10年以上やってるので、書き尽くしたというのもあると思いますが、興味がもっと人間の根源的なものにシフトしていっているなと思います。
そういう意味では、最初の三つとは変わっていないのですが、より深く細かい部分に進んでいると思います。
――作品のアイディアはどうやって考えていますか?
いろいろですね。ぼうっとしているときや、テレビを見ているときとか、夢の中でみたりとか。なにかちょっと気になって、深く調べていくふちにどんどんと作品ができてくる感じです。
――戯曲を書くうえで、何に一番苦労しますか?
登場人物の一貫性が一番難しいです。どうしても一日で書くわけにはいかないので、別の日になると、前の日に書いたときと、テンションが変わってしまってどうしても別人のようになるときがあります。集中力の問題かなあとはおもいます。
――今までに描いた戯曲の中で特に印象に残っているキャラはいますか?
映画のシナリオ時代ですが、恋人を殺して逃げている女の子を強烈に覚えてますね。自分の頭の仲の空想の人物なんですが、ちょっと好きになった記憶があります。気持ち悪いですね。
――キャラクターを書くときのこだわりを教えてください。
なにがしたい人か? を第一に考えるようにはしています。後、それを言葉にするのか? しないのか?は細心の注意を払ってます。
どうしても、文字で書いていると説明したくなるのですが、言葉にならない言葉というものがあるとおもうので、それが一番のこだわりかなと思います。
――今後描いてみたいキャラクターはありますか?
おじいちゃんやおばあちゃんを書いてみたいですね。どうしても役者の都合で、若い人が中心になりがちなので。
――そのキャラを使って、どんな戯曲を書いてみたいですか?
終わりの始まりと、始まりの終わりの交わる瞬間を書いてみたいです。
大橋裕之さんの描き方を教えてっ!
――戯曲は、一作どのくらいの期間で書いていますか?
作品によりますが、大体3ヶ月です。でも、3ヶ月間、ずっとキーボードを打ってるわけではなく、実際にキーボードを打ってる期間は、約1ヶ月ぐらいです。
2ヶ月間は、資料を漁ったり構想を練って、なるべく書かないようにしています。書いてしまうと物語が固定されてしまうので、ギリギリまで膨らませたいからです。
残りの1ヶ月は、1週間ほどで、初稿を書ききったら、後は永遠と書き直し作業しています。この書き直し作業が、地獄のようにつらいですが、
一番大事な部分なので、延々とやりつづけます。もう台本を見るのもつらくなってきます。
これはあくまで理想的な感じなので、長いときは3年かかったり、短かったら1ヶ月もかからないこともあります。
なんとなくですが、短い期間でスッと書けたときのほうが、評判がいい気がします。
――原稿を書くのは何を使っていますか?
パソコンで、ライトウェイテキストというソフトを使っています。原稿用紙のような枠が表示されているので、
昔手書きだった感覚で掛けて、もうコレ以外はかけそうにないです。
――書くくときの作業工程など教えてください。
まずアイディアを思い付いても、いきなりしっかりした話にならないので、とりあえず寝かせておきます。たまに思い出して頭の中で構成して、また寝かせて、また思い出してかきます。
――技術向上の為に何かされていますか?
専門書はなるべく読むようにしてます。高かかったり、入手困難だったりしますが、日本では正式な勉強をするのが難しいジャンルだと思うので、きちんと基礎を大事にすることが一番大事だと思います。
――自分のアピールポイントはなんだと思いますか?
変。よくも悪くも変。
――将来こうありたい!という願望はありますか?
劇団を続けられたら続けたかったですが、まあ、戯曲を書くのは一人でほそぼそとでもいいので、書き続けたいなとはおもっています。
――休日は何をして過ごしていますか?
基本、ずっと家にいます。台本書いたり、ユーチューブみたり。本当にそればっかり。
――演劇以外で好きなものを教えてください。
音楽、将棋、映画、現代思想、漫画。
――影響を受けた舞台などあったら教えてください。
岩松了さんの「布団と達磨」、初めて生でみた舞台です。後はチェルフィッチュや、SPACなんか数えられないです。ぃ
――最後になりますが、松永さんにとって演劇とは何ですか?
単純にやりたいことです。自分がやりたいから、いろんな犠牲もかまわないし、しんどいことも我慢できるとおもいます。
――ありがとうございました!